弁護士
弁護士資格の取得
弁護士の資格を取得するには大きく分けて2つの方法があります。
●司法試験に合格して司法研修所で司法修習を終了する場合
ほとんどはこの方法により
厳しい受験生活を経験して念願の弁護士となります。
尚、司法試験制度は2011年までは
旧司法試験と新司法試験の2本立てで行われます。
詳細は「司法試験(法曹資格試験)」を参照のこと。
●限られた特定の職業に一定期間就業し、
日本弁護士連合会の研修を修了し、法務大臣から修了を認定してもらう場合
○最高裁判所の裁判官の職にあった者
○司法試験に合格し、法律学を研究する大学院が設置された大学で
法律学の教授若しくは准教授の職に在った期間が通算5年以上ある者
○特別考査に合格して
検察官(副検事を除く)としての経験が5年以上ある者
2007年初頭の弁護士の数は約23,000人。
主要先進諸国に比べ、
日本の弁護士の数はまだまだ少ないとはいうものの
司法制度の改革によって司法試験合格者が急増し
弁護士の数もそれに並行して増えている中、
弁護士の資格を取得しても就職できない状況も生まれつつあります。
弁護士の極端な大都市への集中により
地方では地域によっては
弁護士が一人もいないような地域もある現実を考えると
弁護士という職業がまだ日本においては
一般の人々にとって馴染みのない職業ということが考えられます。
何といっても
高額報酬のイメージが強すぎることが
弁護士に相談することを躊躇させている要因であることは確か。
「弁護士になれば高額報酬が約束され安定した生活が送れる」
などという甘い考えで資格取得に挑戦するのは大きな間違い。
弁護士の仕事
弁護士は
各種の法律に関する専門知識をもって
当事者の代理人或は弁護人として
法律事務や弁護活動などを行う仕事をします。
民事訴訟では原告・被告等の訴訟代理人として、
主張や立証活動等を行い、
刑事訴訟では被告人の弁護人として被告人の無罪を主張し、
あるいは適切な量刑が得られるように、検察官と争います。
破産や民事再生、会社更生法の申請などの
法的倒産処理手続は弁護士の代表的な業務です。
弁護活動などの業務の合間をぬって
資料の作成をしたり、裁判の準備などに
奔走しなければなりませんので仕事は大変ハードです。
また
弁護士が法律の専門家であっても
すべての法律に精通しているわけではありません。
個別の法律に関してはその道の専門家にはかないません。
仕事と並行して知識の習得にも励まなければなりません。
最近では
規制緩和の影響で弁護士の業務分野は拡大しつつあります。
その反面
他の法律関係資格との兼ね合いの問題で
税理士 弁理士 司法書士 行政書士 海事代理士など
業務の競合の問題も発生してきています。
世の中のしくみが複雑になるにつれて
弁護士には高度な専門的な知識が要求されますので
必然的に弁護士の専門領域は限定されることになります。
刑事訴訟の専門、民事訴訟の専門、保険・金融の専門
というように得意分野を強化し、
専門職をアピールすることが業務の発展につながります。
弁護士の業務にかかわる他士業との競合
弁護士法では
『その職務に付随する場合に限り、
司法書士 行政書士 社会保険労務士 海事代理士の
職務を行うことができる』
『職務に付随しなくても、
弁理士 税理士については、これらの職務を行うことができる』
『弁護士は、
公認会計士 土地家屋調査士の職務を行うことはできない』
としています。
ここで注意しなくてはならいことは
「他士業の職務を行うことができる」=「資格登録をすることができる」
ではない、ということです。
弁護士は、
『弁理士 税理士 行政書士 社会保険労務士 海事補佐人の
資格登録をすることができる』が、
『司法書士や海事代理士の資格登録をすることはできない』のです。
海事代理業務に関して云えば
『弁護士の職務に付随した海事代理士の業務を行うことができる』が
『海事補佐人の資格登録をすることができるが
海事代理士の資格登録をすることはできない』のです。
司法書士との業務の兼ね合いに関しては
『弁護士の職務に付随したの司法書士業務を行うことができる』が
『司法書士試験に合格しなければ
司法書士の資格登録をすることはできない』のです。
司法書士の独占業務とされる登記代理申請については
登記代理申請そのものが
弁護士の職務である一般法律事務にあたるのかどうか
という点で争われた経緯があります。
判例では
司法書士の独占業務である登記の代理申請が
「弁護士業務に付随しなければ登記の代理はできない」
とする司法書士会の主張に対し
「登記申請代理業務は
弁護士の職務である一般法律事務に当たる」として
司法書士会埼玉訴訟において司法書士会の主張を退けています。
行政書士との兼ね合いも微妙で
離婚、成年後見、遺産分割協議などの業務に関し
問題が生じる場合が多くあります。